【経験者が解説】30代後半の転職は難しい? 戦略次第で全然イケます

「30代後半での転職は難しい」

転職に関する話題になると当たり前のように目にする言葉ですが、
これから転職しようとしている、30代にとってはキツい言葉です。

実力も経験も関係なく、自分ではどうしようもない年齢で切られてしまうと言うなら、
とてもやってられません。

僕も38歳で転職活動しましたが、年齢についてはネガティブな情報ばかり飛び交い、
それを真に受けて、大きな不安を抱えていました。

その後、3ヶ月の転職活動を経て新しい職場が決まったのですが、
その時の経験から得た結論としては、

30代後半でも、転職は全然イケる

新卒、第二新卒と同じ感覚で挑むとかなり苦戦する

と考えています。

つまり、戦略さえ間違えなければ転職は可能ということです。

戦略のポイントは、

       ・視野を広く          

    ・努力+小さな成果を出す

です。

この記事では、
「30代後半の転職が難しいとされる理由」と、
「30代後半で転職活動を成功させるために必要な戦略」
をお伝えします。

「30代後半での転職は難しい」という情報で苦しんでいる方も、
「30代なりの正しい戦略」を知れば、強気で転職活動進められるようになりますよ!

「30代後半での転職は難しい」と言われる理由

条件に合う求人が少ない

「30代後半での転職は難しい」と言われる最大の理由は、

30代後半の人が求める条件に合う求人の数が少ないから”

です。

能力がどう、実務経験がどう、という前に「そもそもの数が少ない」ということですね。

30代で転職しようとする人は、現在の職場でもそれなりの収入とポストを得ている人ですから、それを基準によりよい条件の転職先を探そうとします。

ですが、条件の良い職場は人が辞めないので、なかなか転職市場に出回らないんですよ。
転職市場では、好条件の仕事があると、常に多数の求職者で取り合う構図になってしまうことから、どれほど能力の高い優れた人でも採用に到るのは激ムズだったりします。

そのせいで、「この年齢での転職は難しい」と言われてしまいがちです。

新しい職場にに溶け込めるかどうかの不安

年齢を重ねてくると、”新しいもの”へのストレスが自然に強くなってきます。
いきなり上司から

「悪いけど会社のプロモーション用に、今日から毎日TikTokでダンス動画あげてくれ」

って言われたらどう思いますか?

30代でダンスとなると、バッキバキの本格派EXILE系か、おもしろ枠で醜態をさらすしかないですから、「誰がそんなことやるかー」と思いつつやんわり拒否するでしょう。

なら、中高生や大学生だったらどうでしょうか。
きっとノリノリでやってしまうはずです。

残念ながら、”新しいもの”への耐性には年齢による違いがあるのは明らかです。

会社が「若い人の方が、新しい職場にも馴染みやすいだろう」と考えるのも無理はありません。

つまり、環境への適応力の観点から、若い人を優先して採ろうとするインセンティブが働くため、30代後半の人は転職に不利と考えられるのです。

就業期間と入社後のパフォーマンス

企業の採用担当者は、入社した人には「できるだけ長くこの会社で活躍してもらいたい」という気持ちがあります。

厚生労働省のある調査では、会社員が仕事で高いパフォーマンスを発揮できるのは、20代の後半から30代前半の間で、それ以降はゆるやかに落ちていくとの結果出ています。

その人のパフォーマンスのピークを自社で発揮してもらおうと思えば、できるだけ若い人を採ろうとする方針にも一理あります。

つまり、30代後半の人はパフォーマンスの伸びと、活躍できる期間で、若い人よりも不利と判断されて、転職が難しい年代と言われてしまうのです。

30代後半で転職活動を成功させるための戦略

ここまでで「ぜんぜん勝ち目ないんじゃないの?」と思われたかもしれませんが、
そんなことはありません。

「正しい戦略とは何か?」を理解してもらうための単なる前フリです。

鋭い方は、気づいたかもしれませんが、”正しい戦略”とは、
”「30代後半での転職は難しい」と言われる理由”を潰していくことです。

完璧である必要はありません。
戦略を少しずつでも実行することで、転職成功の確率が確実に上がっていきます。

早速、いきましょう!

転職の条件を広げる

まずは、転職の条件を広げて、候補となる転職先を増やしましょう

30代後半で転職活動の最大の難しさは、条件に合う求人の少なさですから、
そこを少しでも増やしておくことは成功率アップに直結します。

「なんだよ妥協かよ」と思われたかもしれませんが、そうではありません。
絶対に譲れない条件については、トコトンこだわってください。
それを譲ってしまうと転職の意味がなくなってしまうので。

ただ、今考えている条件には、それぞれ許容できる幅があるはずです。

・年収700万円以上
・業界はアパレル
・業種はマーケティング
・職場の平均年齢が30代の真ん中くらい
・勤務地は東京23区内
・完全週休2日制
・5日以上の連続休暇OK

など、条件を挙げて候補を絞りますが、全てが同じではなく
「どうしてもこれでなければいけない」ものから、
「ここから、ここまでの範囲ならいいかな」と思っているものまで
色々ですから、許容する余地があるものについて条件を緩めてみるのです。

そのために大事になるのが、条件に優先順位をつけること

絶対に譲れない条件をはっきりさせるため、
許容できる条件を見つけるために、
条件の優先順位と許容範囲をしっかり検討しましょう。

具体的な方法は、転職にもとめる条件をすべて書き出します。
そのリストを見ながら優先順位をつけていくだけです。

ポイントは、”書き出す”こと。

頭の中で考えるのとは違って、書いたものを見ながら検討すると、それぞれの条件に対する自分の価値観や感情がはっきりわかって、より正確な順位付けができるようになります。

と言っても、一回で正解を出す必要はありません。
継続して順位を見直すことで、自分なりの正解が見えてきます。

僕も転職活動を始めてからこれをやっていたのですが、自分にとっては収入や勤務地などよりも、職種に対する拘りが強いことが分かって、職種以外の条件をゆるめて転職先の候補を洗い出すことに成功しました。

やりかたがシンプルですし、最初のボンヤリした状態から、自分の希望が鮮明になって、モチベーションも上がってくるのでお勧めの方法です。

戦略ポイント①

・条件を緩めて、転職先の候補を増やす

・条件の優先順位と許容範囲をしっかり検討

新しい環境に飛び込んで経験を積む

「新しい職場に馴染めるか?」という環境適応へのリスクには、経験で対応します。

新しい環境に飛び込んだ時の経験を整理しておいて、「新しい職場でも問題なく溶け込めるぜ!」というメッセージが伝えられるようにしておくのです。

過去に転職経験があれば、その時に
どのようにして溶け込んだか、どんなことに気をつけたか、など
自分なりに工夫したことを整理しておきます。

転職経験がなくても、部署異動、出張、他部署への応援、など現在の職場で新しい環境で仕事をする機会はあるはずですので、そこでの経験をまとめておけば大丈夫。

あとは、まとめた内容を元において、面接で話したり自己PRに書けるように練習すればOKです。

僕の場合は、前職で自分よりも10歳以上年の離れたメンバーとよく仕事をしていましたので、そこでの経験を伝えるようにしていました。

”新しい環境”とは少し違いますが、一般的に同世代の人達と仕事をすることが多い中で、”他の人とは違う環境”でも問題なく働けていたことを強調できれば、環境の変化にも適応できることを印象づけられると考えていたからです。

具体的には、

・最初のミーティングで積極的に発言してオープンであることを理解してもらうこと
・現場では「教えてもらう」機会を逃さないようにすること
・メンバーが苦手にしている仕事を進んで引き受けること

・ランチの時間に仕事以外の話題でもコミュニケーションをとって、距離を縮めること

などです。

ただ、文章や口頭で伝えることができても、実体が伴っていないと相手にバレてしまいます。

なので、新しい環境に馴染むのが苦手だったり、そのような経験がすくないなと感じている人は、さらに経験を付け加えましょう

別に難しいことではありません。小さなことでOKです。

・普段顔を合わせない他部署の人と話す機会を作る
・社内の勉強会を企画してみる
・社外のセミナーに参加して、初対面の人とディスカッションしたり、ファシリテーターになってみる
・趣味のサークルに参加して、役職を引き受ける
・若い人達のイベントや食事会に誘ってもらい、その場を盛り上げる

など、馴染みのない人や、初対面の人と顔を合わせて話しをする場を作って
その場が上手く回るように進んで役割を引き受ける
ようにしてみてください。

最初は上手く行かないし、面倒に感じるかもしれませんが、それでいいんです。
その時の努力と経験が「新しい環境に馴染もうとする姿勢」として身につきます。

やはり、具体的なエピソードトークは説得力が違います。
ちょっとしたやりとりの中でも、様々な情報が伝わりますから、「ここは伝えたい」と思うことは経験を積んで武器にしましょう。

戦略ポイント②

・転職や部署異動など、新しい環境に馴染むために行った工夫を整理する

・まとめた内容は面接で話したり自己PRで書けるように準備する

・本当は「新しい環境が苦手」という人は、今から新しい環境に飛び込んで、主体的にその場を回す経験を積んでおく

現職での実績と職域を広げるための行動

「新しい職場でも長く活躍できる」と期待してもらえるように、現職での実績をまとめておきましょう。これは、職務経歴書を作成する時にキャリアの棚卸をしていく過程で無理なく引き出せると思います。

その際、注意したいのは、直近の実績をアピールできるようにしておくことです。

いくら素晴らしい実績でも時間が経ちすぎていると、「過去の成功を引きずるタイプかな?」とネガティブな見方をされるおそれがあるので、今取り組んでいること、やここ2−3年の間にやり遂げたことを中心にまとめるようにしましょう。

実績に加えて、積極的に職域を広げようとする努力もアピールします。
「え、そんなものないよ!」と言う方でも大丈夫。今からやればOKです。

具体的には、”今の仕事”と”転職先候補の仕事”が重なる分野の勉強です。
資格の勉強をするのもいいですし、セミナー参加や、書籍を読むのもいいでしょう。

僕の場合は外資系の会社に転職したのですが、そこで英語の勉強を続けていたことを伝えるようにしていました。

「外資で語学ができるのは当たり前だろ?」と思われるかもしれませんが、メインで求められていたのは会計や税務の実務能力でしたので、語学力はそこまで重視されてなかったんですね。

それでも、面接は英語でしたし、できないよりもできた方が仕事がスムーズに進むのは分かっていましたから、業務外で英会話スクールに通っていました。

付け焼き刃ではありましたが、面接ではそれなりに意欲があることを伝えられましたし、何より新しい職場に飛び込もうとする前向きな姿勢が伝えられたのが良かったと思います。入社後に聞いたのですが、英語の面接でも気負った様子がなく良い印象だったそうです。

常に勉強にはげみ、新しい業界や未経験の業務にも興味をもち、積極的に関わろうとする姿勢をもっていることを行動で裏付けるのです。

実際に取り組んだことは、きちんとまとめていつでも伝えられるように準備しておきましょう。

戦略ポイント③

・直近の実績で、将来に向けて活躍できる人材であることを伝えられるようにする

・職域を広げるための学習を続け、自己研鑽を欠かさない姿勢を伝える

・現職以外の知識を吸収し続け、新しい仕事にも積極的に取り組める人材であることが伝わるようにする

まとめ

30代後半で転職活動が難しい理由と、どうすればそれを乗り越えられるかについて説明しました。

一般的な転職に関する情報はネガティブなものが多いですが、現状を分析して戦略を立てて行動すればクリアできることも多いので、余計なことは気にせずドンドン行動しましょう。

少しでも早く動き出すことが転職を成功させるカギです。
あなたが何もしていない時間にも、他の人は必死で動いていますよ。

「あの時動いていたらよかった」と後悔する前に、
「迷ったら動く」の精神で、前に進みましょう。

新しい仕事を引き寄ることができますよ。

タイトルとURLをコピーしました